おなかいっぱい、シアワセいっぱい

VOL.4「青梅ウォッカでバラライカ」

青梅の季節がやってきた。昔から「梅しごとの季節」といわれ、優しくて素敵な言葉だなあと思う。忙しくて ここ数年は「梅しごと」をしていなかったが、梅酒づくりは大好き。今年はウォッカに青梅を漬け、大好きなカクテル「バラライカ」を「青梅バラライカ」で愉しもうと、今からほくそ笑んでいる。

ウォッカ、ホワイトキュラソー(orコアントロー)、レモンジュースをシェイクしたこのショートカクテルの名は、17世紀頃から使われたというロシアの民族楽器バラライカからで、サイド・カーのベースをブランデーから、ロシアの国民的なスピリッツ“ウォッカ”に変えて作られたとか。(カクテルグラスの三角形を、この楽器の形に見立てたという説も)

キリッとしたウォッカに柑橘系の香りがほのかに漂い、夏には特に美味しいカクテルだ。さて、これから梅の漬かり具合が気になる日々となりそう。

青梅300gほど、ウォッカ1本、グラニュー糖は100gほどで。甘みがついているので、青梅バラライカを作る時は、ホワイトキュラソー(orコアントロー)は極少でシェイクしてみようっと。3ヶ月後が楽しみ。♪

出盛りの青梅あれば、そっと去ってゆく名残りもまたあり―

“山野の食師匠”と仰ぐ、割烹の大将からいただいた、名残りの「冬山椒」とその実で作った塩。自ら山へ分け入り山菜、茸、果実などを採集。自然に感謝し、その恵みを活かした創作料理や果実酒、調味料は感動の味。師匠の思いと味、切磋琢磨して少しでも日々の料理に取り入れたい。

珍しい冬山椒の塩、鱧の焼霜造りや鰻の白焼き、焼き穴子にチョンチョンと。冷酒を買いに行かねば!

KITANOTOMOKO

Writer 北野智子

フードディレクター。唎酒師。食べものとお酒を愛し、1日中食べ続けていたいほど食い意地が張っている。日本の旬、歳時記、食の歴史・謂れなど食文化に興味が尽きない。尊敬する人は、江戸時代の風俗・事物の書『守貞漫稿』の著者・喜多川守貞。ほか愛するものはイタリアの食文化、食の本(蔵書は1000冊以上)、器やキッチンツールほか、雑貨&ステーショナリー(ともに食関連が特に)、旅、世界のBARなど。世界中のお酒を飲んでみたい。

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