LOVE! PORTLAND 5人目
小泉寛明さん(神戸R不動産)|ポートランドフェア2017

2017.3.15 更新
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ポートランドに刺激を受けて、日本で独自の活動を広げている方がたくさんいます。

小泉寛明さんは、新しい視点で不動産を発見、紹介している「東京R不動産」と提携しながら、2011年に「神戸R不動産」を立ち上げ。実は、そのスタート時からポートランドはひとつの大きな目標だったそうですよ。


小泉寛明
1973年兵庫県生まれ。Lusie Inc.代表取締役。建築、不動産、店舗の開発/再生にかかわるプランニング・コンサルティングを行っている。


―小泉さんとポートランドの関わりから教えてください。

「15年以上前かな、アメリカのロサンゼルスに住んでいたことがあって、その頃からポートランドは都市計画では有名だったので、何回か訪ねました。僕自身、都市計画で大学院に行ってたので。日本の行政の人たちがポートランドに視察に来るのを案内したりもしてましたけど、当時の印象としては、田舎町だなって(笑)」

―最初は、そこまで心惹かれる感じでもなかったんですね。

「そうですね。ところがその後、『スペクテイター』という日本の雑誌で「From OREGON with DIY」というポートランドの特集があって、その記事がすごく面白かった。ちょうどリーマンショックを経て、自分の考えが変化して、起業しようとしていたタイミングでもあったので、そうか、こっちの時代が来たんだと。そのあたりで、あらためてポートランドを再発見した感じです」

―『スペクテイター』のその特集号が2009年です。

「東京や大阪でも仕事をしてきたけど、その頃、僕は神戸に移り住んでいて。それで、神戸R不動産をはじめるにあたって、まず”神戸・PORTLAND計画のススメ”というタイトルでコラムを書きました。神戸とポートランド、実はそんなに条件は変わらないんじゃないのって」


*ちなみに小泉さんがそのコラムで挙げている、ポートランド的ライフスタイルの特徴はこんな感じ。「1.家賃が安い 2.DIYカルチャーが先進的で、副業で創作したものを流通させる仕組みがある 3.ワークシェアリングが進んでおり平日3~4日だけの仕事がある 4.街づくりが先進的で、コンパクトな街を目指している 5.気候が良く、山や海もあり、自然に隣接している」。今でも通じる内容なので、そちらのコラムも一読ください。


―小泉さんのそのコラムは、「神戸R不動産」サイトで今でも読むことができますね。ちなみに、その記事の公開が2011年4月、震災直後です。

「だから、かなり反響も大きくて、東京から抜けだそうと考えていた人が実際にこれを読んで移住してきたとか、後々からそんな話を聞きました。ただ、ポートランドもどんどんブームになってきたので、それ以降、僕は、あまりポートランドのことは口にしないようにしていたんですけど(笑)」

―2011年から6年、小泉さんが神戸ではじめたことはいろいろあると思いますが、ポートランドに通じることといえば…。

「わかりやすいのは、2015年から始めた「EAT LOCAL KOBE FARMERS MARKET」という朝市ですね。モデルは、ポートランドのファーマーズマーケットで、立ち上げる前に神戸市役所の人とポートランドへ視察にも行きました。そこで言われたのが、絶対に継続してやらないと意味がないということ。もうひとつは、大きな樹の下でやりなさいということ」


神戸で続く「EAT LOCAL KOBE FARMERS MARKET」。会場は市役所の海側にある東遊園地。


年1回のお祭り「FARM TO FORK」の様子。


―簡潔なアドバイスですね。

「ほんとにすばらしいアドバイスでした。空き地みたいな駐車場でマーケットを開いても、全然楽しくないだろうって。それで、東遊園地の活性化の話とちょうど一緒になって、東遊園地を会場にすることになりました。はじめた2015年は9回、去年は30回開いて、今年は40回、ほぼ毎週マーケットをやることになりました」

―実際、「EAT LOCAL KOBE FARMERS MARKET」はすごく人が集まっていると評判ですね。

「来場者をちゃんとカウントしたことはないですけど、だいたい5~800人くらいは集まっています」
 
―2年の開催でそこまで認知されましたか。いろんな地域で市イベントは盛んですけど、どこで違いが生まれるんでしょう。さっきのポートランドの教えの他にも続けるうちに気づいたことはありますか。

「ローカルに密着した野菜の販売ということを見失って、人を集めるために食べ物イベント化してしまったり、出店を集めるために遠くの生産者を呼んだりということがあるのかな。僕らは、近郊の農家で若手、新規就農者が中心。それも時間が長くなると成立しなくなるので、午前中にぱっとトラックで集まってもらって、昼までの3時間で終わりですから。あくまでも朝市の感覚です」

―なるほど。農産物を産直で売るというシンプルさ。

「あとは、若い子ばかりが集まるようなおしゃれイベントにならないようにするとか。「EAT LOCAL KOBE」は、お客さん側のことだけじゃなくて、農家や食品を扱う人たちがこれきっかけでグループをつくって、いろんな情報交換する機会にもなっています。カッコつけてひとりで黙々とやるよりも、集まって協力することも大事ですよね。これは、農や食の業界だけじゃなくて、他の業界でももっとやれることだと考えています」

―ファーマーズマーケット以外の事例も進んでいますか。

「いま、ひとつ取り組んでいるのは、クラフト系のコミュニティを阪急王子公園から春日野道にかけての高架下につくろうとしています。僕らのやり方として、ある程度のまとまった物件を見つけて、そこに合ったコミュニティを植えつけていくような形で。天井が高くて、音を出してもいい高架下は、モノづくりに適してるんです」



―もう神戸ポートランド化計画は完了間近ですね。

「いえいえ(笑)。年始に1週間ほど、ポートランドの郊外へ行ってきたんですけど、ポートランドはやっぱり刺激的で、これからも定期的に行かなきゃと思いましたよ」

―今回は、ポートランドのどんなところを見てこられたのでしょう。

「昨年の11月に、「EAT LOCAL KOBE」の秋祭りとして「FARM TO FORK」という大きなイベントを神戸で開いたのですが、そのときに、ポートランドから、アーバンファーマー(都市型農家)でシェフでもあるステイシー・ギブンズにチームで来てもらったんです。その中に, オーガニックな素材でラーメンの麺をつくってるというローラという女性がいて。今回は、そのローラの家に泊めてもらって、農家やオーガニックなあたりを見てまわりました」


*ポートランド郊外にあるローラの住まいは、彼氏や兄弟、親友のカップル など6人で同居。「彼女ら毎日いっしょにみんなで夜ご飯を食べて、めちゃ仲がいいんです。ニュー家族みたいな感じ」と小泉さん。


―ローラがつくる、オーガニックなラーメンっていうのも気になりますね。

「そうでしょ。彼女は日本文化が好きで、こっちに留学していた経験もあるすてきな女性ですけど、オーガニックな麺というアイデアをひとりで実現して、生計を立ててますから。ポートランドでは、ひとりでワインメーカーをやってるという人にも会いましたけど、それを実現できるだけのインフラが整ってるんですね。ベタにいえば「シェアリング」ですけど、どちらかというと「コープ」という言葉が近いかな。そういったひとり起業、小商いをどんどん具現化できる街という点で、ポートランドはすごく最先端だなという印象があります」




―そういった意味での最先端だと。

「僕も、神戸でR不動産やファーマーズマーケットといろんなことをやってきましたけど、やっぱり仕事をつくっていかなければ街が面白くならないし、移住してくることもできない。だから、スモールビジネスをスタートさせやすいような環境を神戸に整えていくことが、これからの目標。そういった点で、ポートランドはまだまだ参考にできることがありますし、いずれはポートランドで神戸を紹介する「POPUP KOBE」のようなイベントを開きたいんです。

―おおっ、楽しみにしています!

「ポートランドフェア』の期間中、小泉寛明さんによる会場でのトークショーが4月28日(金)午後6時で決定しました。小泉さんのポートランド話、神戸の話をもっともっと聞きたいという方はをぜひ会場へ。



トークショー終了後のメッセージ
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2017.3.15 更新
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