ポートランド市開発局の山崎満広さんに
ズバリ聞きました。|ポートランドフェア2017

2017.2.15 更新
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ポートランド市開発局(以下、PDC)に勤める山崎満広さんといえば、一昨年に出版された著書
『ポートランド 世界で一番住みたい街をつくる』が今でも書店で平積み、とても評判の1冊となっています。

PDCは、都市再生と経済開発を行う機関で、山崎さん曰く“まちづくりのプロジェクトマネージャー的存在”。ここで経済開発チームとして働く山崎さんは、日本とポートランドをつなぐ仕掛けも様々に手がけています。そんな山崎さんにskypeを使ってインタビュー、あいにくその日のポートランドは大寒波到来の日で…。

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今日のポートランドは、何十年かぶりの大雪、ヒョウまで降るということで、会社が閉鎖になって1日家にいるんです。

―大変な日に恐縮です。

いえいえ。ちょっと面白いのが、交通機関も完全にシャットダウン状態なんですけど、その理由のひとつが、雪や氷を溶かすための塩なんです。

― 凍結防止のためにまく塩ですね。

こっちで使ってる塩は塩化マグネシウムが入ってるから、たくさん使うと自然に流れ出て、鮭の産卵にも影響があるというので、ポートランドでは雪が降っても塩はまかないことに何十年も前に決めたそうなんです。今はそんなにケミカルじゃない塩もあるから、その塩に変えて塩を使うことにしましょうという話が今頃、浮かんできました。そんなわけで、街がシャットダウンしています。


©Travel Portland

― ポートランドはエコな街としてもよく紹介されますけど、徹底してますね。

そうなんです。真剣なんですよ。ちょっと田舎っぽいとも言えますけど(笑)。最近は、大きな企業もポートランドに集まってきています。「メルカリ」ってフリマアプリで話題の企業がポートランドに拠点を立ち上げたりとか、他に日本の企業だとペンタブレットの「ワコム」もポートランドに移ってきました。少しずつメジャーなものも揃いつつある状況です。

― 日本の地方でもポートランドがひとつの目標になっています。

ポートランドのイノベーションの部分が注目されることもあれば、まちづくりや都市計画のことを参考にされることもあるし、不動産開発の手法を習いたいって来られる方…いろんな理由やきっかけでポートランドに注目いただいていると感じています。

― 一般の感覚でいえば、「ポートランドってなんかイケてるらしい」くらいの認識の人も多いかもしれません。

掴みどころのある街とない街ってあると思うんです。たとえば、ニューヨークだったらマンハッタン、ロサンゼルスだったらハリウッド、シアトルだったらスペースニードルとか、街によっては、そこで写真を撮ればOKみたいな場所がありますけど、ポートランドってそういったものがないんですよ。


©Travel Portland

― わかりやす名所のある街ではない。

そうです。観光名所には本来、なりがたい街で。だけど何がいいのかって言えば、住み心地がいい。雰囲気や空間、食べ物、寝床、職場、交通機関とか、そういったものが他の都市に比べて長けていたり、ちょうどよかったりするんです。 ところが、日本の方がポートランドに来られても、多くは2泊3日、3泊4日というスケジュールで、しかも日本に戻って報告会を開くと、ポートランドとは何かってことを簡潔に説明しなければいけない。となると、パンチラインで話してしまうんですね。それがクラフトビールだったり、珈琲だったりで。

― たとえば、「クラフトビール天国!」っていうパンチラインが決して間違いではないけど、それだけでもないと。

その表面を何層かめくっていくと、「ポートランドに住んでみたい!」って思えるキーワードみたいなものがきっと見えてきます。たとえば、どうしてポートランドのクラフトビールがおいしいのかを考えていくと、まず水がよくて、新鮮でおいしいホップがとれて、こだわっている作り手がいて、ブルワリーなどに行けば、その作り手の顔も見えている。自然が近い理由をひもといていけば、いろんな法律をわざわざ定めて自然を守ってきたという歴史も見えてくる。そういったところが面白いんですよ。

― 表に見えている入り口はいろいろあって、その奥にはポートランドだからこその理由があるんですね。

地方都市なのであらゆるものが揃っているわけではないですけど、人を惹きつけるマトは大きめにできていると、僕は思っています。住んでいて感じるのは、人間本来の生活に近づけるというのか、朝起きて夜寝るまで、あるいは1週間をすごす中で、五感を刺激される感じなんですよ。山や海が近くて、食べ物は豊富で、オーガニックなものもたくさんある。天気はすごくコロコロと変わるので、雨だと思ったら神々しい明かりが雲間から射しこんで…視覚的にも、匂いでも、空気にも、住めば住むほどいろんな美しさを感じます。


©Travel Portland

― まさに「世界で一番住みたい街」ですね。最近のポートランドで気になる動きは何かありますか。

人口の流入に対して住宅が足りてなくて、特に若い世代にシェアハウスやマイクロアパートのような住まいが広まっていて、その結果、シェアエコノミーがどんどん加速しています。家がそれほど広くないので、物はいらないって感覚で、洗濯機から何からシェアをして、ランドリーにカフェがあったりするので、そこに集まっていて、移動するときは自転車か公共交通機関、みんなで遊びに行く半日だけシェアカーを借りてとか。「ADX」というシェア工房も注目されています。プロの職人も、ちょっと家具をつくってみたいというお兄ちゃんもそこで作業をしています。船をつくるグループの隣りで、アートのオブジェをつくるグループがあったり、僕の友人は、家具教室を受講しながらイスをつくっています。

― これから世界で増えていきそうなことが先取りして起こっている印象ですね。

クレジットカード1枚あれば、手ぶらで行けますからね。いろんなコミュニティも生まれているので、なにか必要なものがあれば「それならこいつに聞け」って紹介してもらえたり。そういったことが起こっています。


©Travel Portland

― やっぱり、まずは1か月でも滞在してみたいですね。山崎さんは、ポートランドのつくり手を日本で紹介、代理店などとつなげる「POP UP Portland」というイベントも行っていますね。春に行われる阪神百貨店の「ポートランドフェア」の会場でも、「POP UP Portland」を展開することが決定しました。

そうなんです。業者の方と商談できるようなテーブルも準備いただくつもりですが、一般のお客さんにも是非ポートランドのいろんな作り手に会ってもらいたいです。今のところ、8社がブースを出して、作り手や商品がブースをご紹介する予定です。

最初に「POP UP Portland」を始めたのは2014年、東京と京都で開催して、それぞれ100人単位の来場者数でしたが、昨年は、東京・天王州アイルの会場だけで2千人もの来場者がありました。そこに出展していた2~3社は、今回の阪神百貨店にも参加を決めました。やっぱり彼らの中でも、大阪へ行ってみたいという意欲があることを感じます。

― ちなみに、山崎さんは大阪にはどれくらい来られたことがありますか?

うちの母親が若い頃、床屋の修業を大阪でやっていたというくらいの縁で、何度かしかまだ訪ねたことはありませんけど、街がものすごく元気だという印象があります。昨年は、スタンダードブックストアでトークショウをやらせてもらって、おかげさまで立ち見が出るくらいの状態で、その後にスタンダードの中川社長にディープな大阪の繁華街へ連れていただいて。その前には、阿倍野区の昭和町で進んでいる町家再生の現場も拝見しました。そこはまた別世界な感じでしたね。

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「ポートランドフェア」では、山崎さん自身も来場して、トークショウも予定されています。直接お話を伺うのが楽しみですね。「POP UP Portland」出展者に関する詳しいお話は、詳細が固まってからまた改めてお伝えいたします。





トークショー終了後のメッセージ
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