腕時計のガラス

2013.5.25 更新
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◎ 9階:時計修理工房


こんにちは。

今回はガラスのお話です。
日本では、航空機のガラス窓から名前を流用して、「風防(ふうぼう)」とも呼ばれています。

文字盤や機械内部に ホコリや湿気などが入らないように保護するための部品です。
時計ケースに合わせて作られていて、使用される素材によって特徴が異なります。

代表的なガラスを紹介します。
画像1
●アクリルガラス

合成樹脂製。プラスティック風防と呼んでいます。加工しやすいのが特徴です。
年代物の時計にはこのタイプが取り付けられていることが多いです。

左)カレンダーの日付が見やすいように、3時位置にレンズがついている厚手の平面タイプ

右)プクッと丸みを帯びたドーム型タイプ

画像2
●ミネラルガラス

もっとも一般的に使用されている素材のガラスです。ガラスに化学処理や熱処理などを施し、表面の分子密度を高めた強化ガラスもあります。
ガラス素材としては加工がしやすいため、装飾的なデザインのものも作られています。

画像3
●サファイアガラス

人工サファイアの結晶を削り出して製造します。硬度が高く、キズつきにくいが 加工がむずかしいのが特徴。
ほとんどのハイエンドモデルには、このサファイアクリスタル製のガラスが取り付けられています。

(写真では、取り付け時のガラスパッキンが付いています。)

画像4
●特殊加工ガラス

左)カットガラス(アクリルガラス製)
厚手のガラスの角を落として多面的な加工を施したもの。

中)カットガラス(ミネラルガラス製)
こちらもガラスの縁にカットを加えたキレイなデザイン。光があたるとキラキラします。

右)プリントガラス(ミネラルガラス製)
アーチ型のガラスの内側にプリントが施されたドレッシーなタイプ。

画像5
衝撃を受けた時の割れ方は、素材によって違いがあるようです。

左はアクリルガラス、衝撃のあった場所を中心にして亀裂が入っています。

右はミネラルガラス、ガラス特有の「パリンッ!」という音とともに完全に割れてしまいました。

アクリルガラスとミネラルガラスを比較すると、アクリルガラスのほうが弾力性があって割れにくいようです。けれど、アクリルガラスはプラスティック製ですのでキズがつきやすいという弱点があります。
ですから強度が高く、さらにキズがつきにくいという点で、サファイアガラスに分があるようですね。

時計のガラスは、ケース形状やブランドによって決まったものがあるので、好みのガラスに付け替えるということはできませんが、時計の購入を検討する際には ガラスの素材なども気にしてみてください。

時計を長く使っていくために重要なことは、どのような部品が使われている時計なのか、その素材や特性をユーザーがしっかりと理解しておくということです。
それによって、用途やお手入れ方法も変わってくるはずです。

お修理のご相談だけでなく、お手持ちの時計で分からないことがあれば、その時計をお持ちのうえ おたずねくださいませ。
私どもスタッフが、丁寧におうかがいいたします。


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2013.5.25 更新
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