お花は生まれ持って美しい存在。いきいきとした姿を見せてくれることで、周囲の人を元気づけてくれます。その美しさや魅力を消すことなく、より引き出すのが我々フローリストの仕事。そう思いながら、日々お花と接しています。 ただ、「お花は特別な日のもの」というイメージも根強く、慣れてないと花を飾ることに照れがあったり、世話をするのが大変そうと苦手意識を持たれる方も。ドライフラワーなら手入れがいらないし、スワッグやリースだと花器もいらないので、初心者の方でも気軽に手に取っていただけると思います。
不思議なもので、ドライフラワーをひとつ飾るだけで「この花がもっと映える空間にしよう」とインテリアに興味を持ったり、部屋作りに凝り始めたり、生活全般に対する意識が変わる人も多いんですよ。お花って、ただきれいなだけじゃなく、気分や意識まで高めてくれるものでもあるんです。

プレゼントのお花をオーダーするなら、花材を細かく指定するよりも仕上がりのイメージを伝えることが重要。相手の方は普段どんなファッションを好んでいるのか、どんな色の服を着ていることが多いのか。お店に贈るならどんなテイストの内装なのか…。贈る相手の好みや全体的な色味の希望を伝えれば、より気に入ってもらえる確率が上がり、贈る人も贈られる人もうれしい気持ちを共有できますよ。
また、例えば懐妊祝いなら生花は世話が大変だろうからあえてドライフラワーを選ぶ、一人暮らしの方には花器が必要ないリースを贈るなど、贈り先の状況を考えることも、大人ならではの気配り。そこまで考えてくれたんだ！　と、受け取る方が喜んでくださること間違いなしです。

クリスマスといえば鮮やかな赤や木の実を配したアレンジが定番ですが、今年の一押しは「ベルガムナッツ」。ベルのような可愛らしい形とシックなマットブラウンの色味が、ひと味違った大人っぽいクリスマスを演出できますよ。
プレゼントにするなら、恋人には華やかなイメージで気持ちを伝えやすい花束、友人にはトレンド感があってセンスを感じてもらえるスワッグ、両親には壁や扉に飾って家族みんなで楽しめるリースがおすすめ。アレンジにウールのリボンやタッセルをあしらえば華やかさが増し、よりクリスマス感が高まりますね。

お花を使ってお部屋のクリスマスムードを高めたいなら、楽しみ方の自由度が高いリースやスワッグがおすすめ。リースは壁にかけるのはもちろん、テーブルに平らに置いて、真ん中にキャンドルを置くのも素敵ですよ。テーブルセッティングの主役になってくれます。ただ、火を灯したときに引火しないよう、キャンドルはガラス瓶など容器に入ったタイプのものを選んでくださいね。料理やスイーツの写真を撮るときに少し映り込ませれば、写真映えも狙えます！

クリスマスは子供のころから大好きなイベント。キーンと冷えた街にイルミネーションがチカチカ光っているのを見るとテンションが上がるし、この時期特有の高揚感や、街全体が浮き足立つ感じが好きです。
今年のクリスマスは、お店には実ものだけを飾り付けたツリーを出す予定。店の空間に合うシンプルで大人っぽい仕上がりの、大人の女性が思わず真似したくなるようなツリーを考えています。プライベートでは、仲のいい友人たちとテーブルを囲んで、ゆっくりお酒を飲みながら食事をする、という過ごし方がここ数年の定番。もちろんテーブルにはキャンドル＆リースを飾って、クリスマス気分を盛り上げています。

クリスマスは家族や恋人と一緒に楽しむ日、という印象が強いかもしれませんが、ひとりでもポジティブに楽しめる日。部屋にリースを飾ったり、ネイルをクリスマスカラーにしたり、自分がサンタクロースになって自分にギフトを贈ったり…。何かひとつでもクリスマス感のあるモノやコトを取り入れれば、誰かと一緒でも、離れていても、ひとりでも、如何様にも楽しむことができますよね。それがクリスマス最大の魅力だと思います。