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弥生三月、桜を想う

<VOL.48>
3月に入ると そこここに春の兆しを感じ、
にわかにソワソワし始める頃。
なぜなら、待ちに待った桜の季節を迎えるからである。

毎年、大好きな春の訪れを迎えて、ウキウキ・ルンルンしつつ、
一方では、ハラハラ・ジレジレしているジブンがいる。

桜の短い開花時期に合わせて、
お花見に行くための時間を確保するため、仕事ほかの調整が必要で、
その見通しがつくまで、“ハラ・ジレ状態”が続く。

平安時代の歌人・在原業平(ありわらのなりひら)が詠んだ歌に、
「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」
があるが、まさしくこの心境だ。

世の中に桜なぞなければ、春の心はどんなにか のどかであっただろうか―
昔の人も同じ想いであったんだなあ。

はやる心を落ち着かせるため、桜茶を一服。

白い器の中で、ゆらゆらと儚げに咲く桜。
一口含めば、ぱぁ~っと広がる上品な桜香。

あ~、日本人でよかった。

春に咲く花は多々あるのに、「お花見」といえば「桜」。
万葉の昔から桜を詠んだ歌は数知れず、
能の世界にも、「西行桜」「墨染桜」など、
桜の精と遭遇する幽玄の世界を描いた作品は多い。

日本人が最も愛する花、桜。
何故にこうまで愛するようになったのか。

昔から日本人は、桜に神の霊が宿ると考えてきたのだという。
「さくら」の「さ」とは、早乙女、皐月の「さ」と同様に、
「田の神」を表すという説があり、
「さくら」とは、田の神が坐する「くら」=「神座(かみくら)」という意味で、
つまり桜とは、神が宿る木であったとか。

爛漫の美しさを見せながらも、すぐに散ってしまう その儚さが、
人の一生にも似て、私たち日本人の心を捉えてきたのだろう。

お菓子に写された桜もまた、ほのかに漂う儚さがある。

花時のお菓子の代表、「桜餅」は、
和菓子歳時記の中で、トップ5に入る大好きなもの。

口中に広がる桜葉の香り、ほんのり塩味と道明寺の味わいは、
桜の季節の訪れをしみじみ実感させてくれる、
この時季になくてはならないものである。

today's item


「一休堂」桜の花塩漬(13g)216円 ◎地下1階:デイリーフーズ


「鶴屋吉信」生菓子“里桜”(1個)432円 ◎地下1階:和菓子売場


「鶴屋吉信」桜餅(1個)270円 ◎地下1階:和菓子売場

「おなかいっぱい、シアワセいっぱい」
弥生三月、桜を想う

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