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おいしい歳時記あそび

<VOL.43>
2月3日は「節分」―
一年間には様々な歳時記があるが、
“My favorite 歳時記”トップ3に入るほど好きな行事で、
「おいしい歳時記あそび」と称して、毎年欠かさず楽しんでいる。

暦では「節分」の翌日は「立春」。
昔は「立春」が新年の始まりとされ、その前日の節分は大晦日の位置付けで、
新しい年を迎えるにあたり、豆まきで邪気(=鬼)を祓い、
縁起ものを食べて、この一年の無病息災を願うものだった。

「鬼」は「冬」、「お多福」は「春」の象徴ともいわれ、
福豆を自分の年齢より一つ多くたべるのは、新しい年を迎えて一つ歳を重ねるから。

この福豆、豆まきで余ったら、香ばしく炒って大豆ごはんにするのも恒例だ。

節分の行事食の中でも一番好きなのが、恵方を向いて、無言で丸かぶりする、
福を巻き込んだとされる「巻き寿司」。
デパ地下には いろんな具材を巻いた何百種類もの巻き寿司が並び、
選ぶ時間も楽しく、あれこれ4~5本は買ってしまう。
中でも 老舗・吉野鯗の昔ながらのシンプルな巻き寿司は毎年の定番だ。

記憶では 実家で節分の巻き寿司丸かぶりをしていたのは、幼稚園児の頃から。
両親から言われた方角を向いて、母の手作りのデカイ巻き寿司を無言で食べる。
「…………………………………………」
今とは違って おチビの口は小さく、1本食べ終えるのにかなりの時間を要し、
超おしゃべりだった私には、長~い無言はムリだったのをよく覚えている。

この節分の巻き寿司丸かぶりは大阪の船場が発祥とされており、
ゆえに大阪では古くから行われてきた。

私にとっても、「節分=巻き寿司」があたり前で、
その感覚は「正月=おせち料理」に等しく、
後に他府県の人々は そんなことをしていないと知った時は、
日本人ではないのではないか?とすら思ったものだ。(笑)

節分必須行事食その2は、「焼き鰯」。
節分に焼き鰯を食べるのは、
昔は魔除けとして、鬼の目を突く刺のある柊の枝に、鬼が嫌う匂いの鰯の頭を突き刺して、戸口に飾る風習があったことから。

塩加減がよく、脂がのっている大きな一夜干し鰯、
焼きたてを味わいたいので毎年家で焼いている。

お供には「恵方呑み」の日本酒をグビリ。
恵方を向いてお酒を吞みながら願い事をすると叶うといわれているから、
願い事はたくさんあるので、何杯も飲むことになる…フフフ。

節分のシメは「厄除けぜんざい」で。
小豆は邪気払いとされているので、
節分の日にぜんざいを振る舞って厄除けを願う習わしがある。

さて、今年の恵方は「北北西」―
日本の奥深くて おいしい歳時記、今年もたっぷり楽しもうっと。

today's item


「鶴屋八幡」ぜんざい鶴屋茶房(1人前)540円 ◎地下1階:和菓子売場


塩いわし(1尾)216円 ◎地下1階:塩干物売場「大神食品」

「おなかいっぱい、シアワセいっぱい」
おいしい歳時記あそび

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