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オトナ女子のおせちプレゼント

<VOL.38>
毎年、実家におせちを贈って、お正月に訪ねて一緒に食べるのが恒例となっている。

やはり日本歳時記の筆頭であるお正月の行事食であるおせち、
受け取る側にとっては、かなりのインパクトと感謝度の高いプレゼントであり、
日頃 募っているであろう、娘のご無沙汰へのご不満を一気に解消する効果がある。

親の世代は、お正月の縁起ものを大事にされるので、セレクトするのは和の三段重。
素材の味を活かした上品な味付けで、食べ飽きないおせちが喜ばれるようだ。

「おせちの代表格」とされる祝い肴三種。
関西では数の子、黒豆、たたきごぼう。

それぞれの縁起は、
漬け具合バツグンのポリポリ数の子は「子孫繁栄」
程よい甘さで旨みのある黒豆は「健康でマメに働けるように」
香ばしい胡麻とシャキシャキのたたきごぼうが「開運」―

まろやかな伊達巻は「巻き物に例えて知識が増えるように」
シコシコの紅白蒲鉾は「紅は魔除け、白は清浄」
ほろ苦く香ばしい田作りは「豊作祈願」
さつま芋あんと大栗のきんとんは「豊かな一年であるように」
深い旨みがある昆布巻きは「喜ぶの昆布」
甘みと旨みが凝縮した有頭海老は「長寿」―
と、それぞれに込められた縁起をスルスル語ると、なかなかに感心され気分がよい。

「縁起の食」は、食材の色や形、語呂合わせなどを
縁起のよい言葉や物に見立てて、願いや祝いの心を託すもので、
昔の人の粋と洒落が込められた、世界にはない日本だけの食文化だと思う。

さて それぞれの家ごとに、百貨店のおせちパンフから「コレ!」というアイテムを選ぶ条件は様々だと思うが、我が実家へ贈るおせちにはこんな掟がある。

それは、大晦日の夜から1月2日が終了するまで、何が何でも動きません!(お雑煮の支度以外は)という強固な意志をお持ちの母にとって、美味しさや美しさ、品目の多さはもちろんだが、その量が十分かどうかが重要なポイントになってくる。
(ま、私も食べるので偉そうに言えないが)

何年かの試行錯誤の結果、これらの掟を満たしてくれるのは、
「普段 愛用する百貨店の限定・和風おせち」という結論に落ち着いた。ふぅ。

12月31日、昼過ぎ―
弾んだ声の母から、お礼の電話がかかってくるのも大晦日の恒例だ。

かつて和菓子の聖地・出雲松江を旅した時、松江城下の漆器屋さんで一目惚れして即買いした、お気に入りの八雲塗の漆器。 古都松江の伝統工芸品で、透き漆の色合いが美しい、小ぶりな二段の重箱と銘々皿5枚の組重だ。

松江城下には、茶人としても名高かった松江藩主・松平不昧公の影響で、「不昧公好み」と呼ばれる銘菓が生まれ伝わっていて、菓子用の漆器にも優れたものが多い。

桜の時季になったら、桜形の和菓子を詰めて、「野遊び」に出かけたら、
風流だよね!粋だよね!と騒いで購入したものの、
春先は忙しく、桜はすぐに散ってしまうしで、
このイベントはまだ2回ほどしか実現していない。

それがとても悔しいので、毎年 お正月膳でその美しい色合いを楽しんでいる。

today's item

2017年 阪神のおせち(デジタルパンフレット)
P10-11「洛西」「嵯峨」「京の宝船」「醍醐」
◎ご予約:12月25日(日)まで

「おなかいっぱい、シアワセいっぱい」
オトナ女子のおせちプレゼント

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