おなかいっぱい、シアワセいっぱい

VOL.22「ウニ感炸裂、トロットロの雲丹醤」


暑い夏の間 いかに調理に手間をかけず、火を点けている時間を少なくできるかを考えている。
まあ何もせずとも、デパ地下に行けば、美味しい惣菜、弁当、寿司、デリパンなどがズラズラ並んでいるのだが、毎日ともなれば、「それでいいのか感」というのもある。
何かちょこっとでも、「自分で作った感」がほしい、というところかな。

そこで 優れものの調味料+ひと手間で、スグに美味しく食べられる一品メニューを、と考えたのがこの「雲丹醤(うにひしお)のイカごはん」。

大の魚醤好きには、この若狭小浜の雲丹醤は、ヨシ!コレ!の絶品魚醤調味料だ。
世界に誇る魚食民族である日本人は、はたはた、いか、いかなご、鮪、鯛、鮭、飛び魚、鮎、帆立、ふぐ、鯨ほか、様々な魚介を仕込んで魚醤を造ってきた。

茶色の魚醤が多い中、この雲丹醤は雲丹そのものの“雲丹色”。
ギュウッと凝縮された雲丹が発酵を経て、さらに旨みを増し、雲丹好きにはたまらない味!

お造り用のイカを細切りにし、雲丹醤と混ぜてご飯にのせるだけ。
てっぺんには薬味の大葉と山葵ちょこん、で完成。
雲丹の香りと旨み、イカの甘みが絡み合った贅沢な味をごはんとガッツリ食べるシアワセ~な一品で、まるで割烹店のシメごはんのよう。

こちらは、雲丹醤+餅の一品「雲丹醤からみ餅」。
深めの皿に餅を並べ、ヒタヒタに水を注ぎラップをして、ふわトロ状態になるまでレンジで加熱。
餅の大きさにもよるが、60~90秒ほど。
雲丹醤と柔らかくしておいたバター(2:1ぐらい)を混ぜておき、加熱した餅にからめるだけのラクチン一品。
トロリやわらかい餅に、雲丹醤がトロンと絡み、「誰か止めて!」の美味しさだ。

こちらは雲丹の軍艦巻きからヒントを得た「雲丹醤バター海苔トースト」で、朝から雲丹を味わえる嬉しい一品。
トーストにバターと雲丹醤をたっぷりと塗り、海苔をのせてガブリ!
雲丹の甘み、バターのコク、海苔の磯香が三味一体となった美味は、クセになる味わいだ。

雲丹と塩を合わせて発酵させ、毎日欠かさず混ぜ続けること3ヶ月以上、甘みに玉ねぎを入れて仕上げる魚醤調味料・雲丹醤。
さすがはその昔、「御食国(みけつくに)」といわれ、朝廷に雲丹をはじめ海産物を献上していた若狭小浜で生まれた銘品である。
自分で作った感もある手抜き贅沢一品が楽しめるこの優れもの、もう手放せない!

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KITANOTOMOKO

Writer 北野智子

フードディレクター。唎酒師。
食べものとお酒を愛し、1日中食べ続けていたいほど食い意地が張っている。
日本の旬、歳時記、食の歴史・謂れなど食文化に興味が尽きない。
尊敬する人は、江戸時代の風俗・事物の書『守貞漫稿』の著者・喜多川守貞。
ほか愛するものはイタリアの食文化、食の本(蔵書は1000冊以上)、器やキッチンツールほか、雑貨&ステーショナリー(ともに食関連が特に)、旅、世界のBARなど。世界中のお酒を飲んでみたい。

表示価格は、ホームページ掲載時の消費税率による税込価格です。