おなかいっぱい、シアワセいっぱい

VOL.3「お洒落になったね、アボカドくん」

アボカドがもてはやされている。今から20年以上前、アボカドは突如、「森のバター」というキャッチフレーズとともに日本の食卓に登場した。薄気味の悪いゴツゴツした黒緑色の塊…いざ割ってみると、アラ美しい!黄緑色のクリーミーな果肉、しかしど真ん中にはボコンと大きな種…どうやって食べろというのだ…しばし母と顔を見合わせたものだ。

アボカドトースト


世界一栄養価が高いといわれる果物・アボカドは熱帯アメリカ原産で、5000年以上も前から栽培されていたのだとか。英名は[avocado]のほか[Alligator Pear]。なるほど、凹凸した表皮がワニ皮にそっくり。なんと以前 日本では「鰐梨(わになし)」と呼ばれていたそうで、正式な和名だという。個人的には面白くて好きだが、「鰐梨」の名前だけだったら、ここまでお洒落フードのポジションを獲得できなかったのではあるまいか?

さて、姿形にはビビッたものの、その美味しさに即ファンになった我々母娘は、サラダに入れ、醤油をかけてごはんにのせ、カリフォルニアロールにし、セッセと食べていたものだ。時は移り現在アボカドは、超低糖質で食物繊維、ミネラル、ビタミンB1、B2、Eなどが豊富なヘルシー食材としてもてはやされている。モデルやファッション業界人などから火が付き、N.Y.で「アボカドトースト」というお洒落なメニューで大人気モノとなり、世界中に広まった。「鰐梨」という名前でなくて、本当によかったね、アボカドくん。

よく熟れた大きなアボカド1/2の果肉を粗くマッシュし、EXVオリーブオイル小さじ2、ライム絞り汁小さじ1、塩少々を入れてさっと混ぜる。トーストの上にたっぷりのせ、つぶしたピンクペッパーをパラパラ。美しい色合いにフレッシュな青い香、まろやかなコク。食べれば食べるほどヘルシーになれそうな気分にしてくれる。(が、食べ過ぎには注意せねば…)

アボカドオイル

アボカドくんは、オイルにもなってモテモテ。果肉のみをコールドプレスでぎゅっと搾ったEXヴァージンオイルで、人気のヘルシーオイルチームの中でも超お気に入り。食材にひと振りするだけで、口の中にアボカドの美味しさがふわぁ~っと広がる。

野菜サラダや豆腐、バゲット、ピッツァ・ビアンコ、パスタ、蒸しor茹でチキン、ローストポークほか相性のよい相手は多い。かにカマにかけると、本物感が出る。すぐに売り切れるので、2本買いをしているほど。


My favorite things …

my favorite

ステーショナリーが大好き。海外でも必ず行く先々で街の文房具屋を覗き、ごちゃごちゃと買ってしまう。特に食べものに関連したものを集めている。キュートなパン形のメモパッド、減るのがイヤでなかなか使えない…。

Writer 北野智子

フードディレクター。唎酒師。
食べものとお酒を愛し、1日中食べ続けていたいほど食い意地が張っている。
日本の旬、歳時記、食の歴史・謂れなど食文化に興味が尽きない。
尊敬する人は、江戸時代の風俗・事物の書『守貞漫稿』の著者・喜多川守貞。
ほか愛するものはイタリアの食文化、食の本(蔵書は1000冊以上)、器やキッチンツールほか、雑貨&ステーショナリー(ともに食関連が特に)、旅、世界のBARなど。世界中のお酒を飲んでみたい。

表示価格は、ホームページ掲載時の消費税率による税込価格です。