おなかいっぱい、シアワセいっぱい

VOL.9「ボルシチの赤いヒロイン」

2016/6/23更新

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妙に郷愁をそそられるロシア料理に魅かれて長い。幼い頃 初めて食べたロシア料理は、百貨店で買ってもらったピロシキ。後に京都や神戸のロシア料理レストランへ連れて行ってもらい、赤いスープ「ボルシチ」を知り、ビーツという赤い野菜を知った。

ビーツの入っていないボルシチは、餅の入っていない雑煮と同じという、ロシアの代表料理「ボルシチ」に欠かせないビーツ。このビーツが近頃、ヘルシーさと鮮赤色の美しいビジュアルでトレンド野菜となっている。ビタミンAやC、鉄分などが豊富で、美肌効果や免疫力UPなどが期待できるのも嬉しい。

ビーツと同系色のマグロでスタイリュッシュな一皿に。茹でたビーツを赤ワイン、EXVオリーブオイル、酢、はちみつ、塩を合わせたドレッシングで和え、海塩を振ったマグロと。ビーツの土っぽい香り、ほのかな甘みと食感、その美しさも堪能しよう。

ロシアの国民的野菜でアカザ科の火焔菜。「火焔」とはよく言ったもので、指先から包丁、まな板、相棒の素材など、触れたもの全てを鮮やかな赤色に染めていく。

ロシア料理とお酒を求めて飛んだ、ロシア極東の地・ハバロフスクで食べたボルシチ。美しい色合い、奥深く洗練された味わいは、彼の地ならでは。「フクースナ!(おいしい)」の連発だった。

北野智子

Writer 北野智子

フードディレクター。唎酒師。
食べものとお酒を愛し、1日中食べ続けていたいほど食い意地が張っている。
日本の旬、歳時記、食の歴史・謂れなど食文化に興味が尽きない。
尊敬する人は、江戸時代の風俗・事物の書『守貞漫稿』の著者・喜多川守貞。
ほか愛するものはイタリアの食文化、食の本(蔵書は1000冊以上)、器やキッチンツールほか、雑貨&ステーショナリー(ともに食関連が特に)、旅、世界のBARなど。世界中のお酒を飲んでみたい。

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